JAL燃油サーチャージ値下げ?国際線8月・9月発券の価格を予測する

2ヶ月に一度更新される燃油サーチャージ。JALやANAなど国際線の航空券に付加される高額な税金の一つですが、今回は今年8月~9月に発券する航空券に付加される燃油サーチャージの価格を予測していきます。

燃油サーチャージの額は、原油価格に連動する「シンガポールケロシン」に「米ドル/円」の価格を掛け合わせた金額で算出されますが、ここ最近両者とも方向感の無い値動きになっています。今年2月に復活して以来、高止まりを続けている燃油サーチャージ、今後の値動きにも注目です。


WTI原油はトレンド下抜けも方向感なし

OPECの減産合意以降、緩やかに上昇を続けるWTI原油。前回の記事にも記載しましたが、これまで4度に渡ってこの上昇トレンドをブレイクする仕掛け的な動きがあったにも関わらず、その度にOPECが減産延長について言及、悉く跳ね返されてきました。

WTI原油価格推移surcharge201708-2017079

しかし5月の初旬、漸くそのトレンドブレイクに成功し潮目に変化!週足で見ても明確にトレンドラインを割っているので、天井知らずの上昇は取りあえずのところ治まったと思います。でもテクニカル的には下落基調にあっても、来年3月までの減産延長に合意した国が出て来るなど、まだまだ上昇圧力が拭えていないのが現状で、双方が拮抗している状況。

シンガポールケロシンの推移surcharge201708-2017079

それに伴い、シンガポールケロシンも、この2ヶ月間は60ドルを挟んだ方向感の無い動きになっています。ケロシンで“60ドル”というのは、以前の規則ではサーチャージ適用の有無を隔てる境界線だった訳で、そういう意味でも市場で少なからず意識されているのかもしれませんね。

ドル/円も方向感なし

ドル/円の動きsurcharge201708-2017079

原油価格に続き、米ドル/円の価格も最近は全く方向感が出ず。おおよそ111円を中央値に、前後3円程度の値幅で推移しています。こちらも現在は材料待ち。直近では、今月半ばに日銀の金融政策決定会合が行われますが、テーパリングについての示唆があるかもしれない、という噂がチラホラ。

確かに、4年にも及ぶ金融緩和もそろそろ出口について何らかの発言があってもおかしくない時期に来ているでしょう。もしQE縮小となれば、一時的にでも円高の期待が高まりますので、ちょっとだけ期待できそう?

20178月~9月発券の燃油サーチャージ

それでは、2017年4月~5月のシンガポールケロシンおよびドル円の平均価格から、2017年8月~9月発券の国際線運賃に付加される燃油サーチャージを予測していきます。

4月~5月「ケロシン」平均値…62.3ドル(a)

4月~5月「米ドル/円」平均値…111.2円(b)

(a)×(b)=6,927円(※筆者独自観測、端数切捨)

2017年8月~9月発券の国際線航空券に課される燃油サーチャージ

ゾーンA(1段階値下げ)

JAL燃油サーチャージ値下げ?国際線8月・9月発券の価格を予測する

算出の結果、ギリギリでゾーンAという結果に。現在はゾーンBですので、1段階の値下がりです。恐らく今月10日頃に出されるJALやANAからの正式な発表が待たれるところですが、かなりギリギリなので場合によっては7千円を超えてしまう恐れも…?

ゾーンAとなれば、燃油サーチャージは現行の半額。欧米への渡航を計画されている方は、8月以降の発券をおススメします。

関連記事「過去の燃油サーチャージ予測」一覧