オペラ「Die Soldaten」の衝撃!テアトロ・レアル鑑賞記と客席をレポート!スペイン・マドリード

昨日に引き続き、スペイン・マドリードにあるテアトロレアルでの鑑賞レポートをお伝えします!今回は、座席からの眺望やBarのメニュー等を中心に、また鑑賞した《Die Soldaten》という超衝撃的な内容のオペラについて、詳しくご紹介したいと思います。

尚、テアトロレアルの公演チケット購入については、昨日の記事をご覧下さい→<テアトロ・レアル>公演チケット購入と座席表、ホワイエについて詳しく!

テアトロレアルの客席

テアトロレアルのシートマップ

テアトロレアルの客席は、平土間(Patio)および5階層のバルコニー席からなるキャパ1750のホールです。5階層と言うと、オーストリアにあるウィーン国立オペラ座に匹敵する程の大きさですが、平土間がやや小ぶりな為か、そこまで大きなホールではないです。

テアトロレアルの客席

馬蹄形の典型的な形をした客席。バルコニーの淵が金色一色に輝いていて、いかにも“王立”のオペラ座と言ったところでしょうか。でも煌びやかな装飾や銅像などが無く、あまり豪華な印象は受けませんね。

テアトロレアルのVIP席

バルコニーの2階・3階部分には、特別な来賓等の為のVIP席があります。こういう席を一般客が指定できるオペラ座もありますが、ここは残念ながら指定出来ない様です。

平土間の席とステージ

テアトロレアル/1階席

平土間の席を見てみると、2列目から平均的に段差が付いているので、前後の列で眺望が極端に変わったりする事は無いと思います。

テアトロレアル・列目の席

尚、この中で2列目の席に限っては足元が広くなっていましたが、テアトロレアルのHPによると前方席は視認性にやや難があるとの事なので、平土間を指定するなら5列目以降が良いでしょう。

テアトロレアル/ステージとオーケストラピット

平土間はやや小ぶりなテアトロレアルですが、ステージの間口はなかなか広い感じがしますね。この緞帳の手前部分にはオーケストラピットがあるのですが、今回は演出の都合で張り出し舞台として使われます。

上階バルコニーからの眺望は?

テアトロレアル/バルコニー席

続いて、上階のバルコニー席を見てみましょう!4階(Anfiteatro)までとは違い、かなり急な段差のついた最上階。このエリアだけで15列も座席があるのですが、これはロビー階の3つのフロア(4~6)が一緒くたになっている為です。

テアトロレアル/最後列

最後列付近からステージを眺めてみましたが、思いのほか良く見えるのでビックリ!それだけ急な段差がついているという事ですが、前後の列の高低差は野球場のスタンドよりもあるので、ほんと転げ落ちてしまいそう…。

テアトロレアル/バルコニーの先頭列

因みに今回の私の席は、この階の先頭列。これでも€67もしましたが、中央から外れてだいぶ右寄りの席なので、体を乗り出さないとステージの半分が隠れてしまいます。

そういう意味では、この最上階に限っては下手に先頭列を狙うよりも、なるべく中央寄りの席を選んだ方が眺望は良いのかもしれませんね。

超問題作!オペラ《Die Soldaten

Die-Soldaten/プログラム

さて、今回の公演ですが、ドイツの作曲家Bernd Alois Zimmermann(1918-1970)によるオペラ《Die Soldaten》。1965年に初演を迎えた現代オペラで、日本でも2008年に「軍人たち(後に“兵士たち”)」という題で演奏されたそうです。

物語は、主人公の女性が貴族の身分である男の兵士に誘惑され、徐々に娼婦へと陥って行くというもの。様々な人間との絡みの中、ドロドロの男女関係の中で徐々におかしくなっていく主人公の心情が描かれています。

Die-Soldatenのあらすじ

シナリオ自体はよくある話ですが、このオペラの特に凄いのが舞台セット!黄色い鉄格子がジャングルの様に張り巡らされていて、そこにオーケストラを含む全ての出演者が集う光景は、凄まじいインパクト!

加えて、5管を携える超大編成のオーケストラが奏でる音楽が最初から最後まで全て無調という究極の現代音楽は、単なる芸術鑑賞の域を遥かに超えてしまっています。

更に衝撃なのは、その演出。紹介VTRを見ると分かりますが、監獄を思わせる様な舞台セットに血の吹き出す拷問の様な演出が多数あって、悲鳴や喘ぎ声、そして心臓の音を再現したオーケストラの音楽・・・。なんかもう、人間の内に潜む全ての残忍さが滲み出てくる様で、見ているだけで気持ち悪くなってきます。

Die-Soldatenの主人公

そしてラストのシーンは、血塗られた主人公の感情が大爆発して舞台の中心で悲鳴をあげ、同時に凄まじいロングトーンがオーケストラだけではなく客席後方のスピーカーからも聞こえてきます。

これが何ともまぁ気分の悪い…。途中で気分が悪くなって思わず耳を塞いでしまいましたよ…。オペラ鑑賞でこんな体調が悪くなるなんて初めてです!

Die-Soldatenの出演者

このDie Soldatenという作品は、単なるオペラを超えた究極の総合芸術だという意見もある様ですが、その難解な演奏もあってか初演当初は中止となる公演もあったのだとか。

インパクトという点では凄い作品ですが、いや~これは行き過ぎでしょう!子供には絶対見せない方が良いと思います。

ホワイエのBarメニュー

テアトロレアル/休憩時間

さて、気分を変えて休憩中に訪れたホワイエのBarの様子を少し。これまでに訪れた「サルスエラ国立劇場」や「マドリード音楽堂」ではあまり盛況でないホワイエの社交場でしたが、ここテアトロレアルではなかなかの賑わいを見せています。

テアトロレアル/ホワイエの社交場

一番の賑わいを見せていたのはグランドフロアのホワイエですが、昨日の記事の通りここには小さなBarカウンターがあるだけなので、あまり飲み食いするには相応しくないかもしれません。

テアトロレアル/6階のBar

それよりも上階(フロア6)にあるBarの方が本格的です。ここでは各種ドリンクの他、ピンチョス等の軽食を頂く事が出来ます。

テアトロレアル/Barのメニュー

ドリンクのメニューを見てみると、シャンパンは€8、スパークリングワインは€4、赤白ワインは€3と、諸外国に比べるとなかなかお手頃ですね。

テアトロレアル/ピンチョス

ピンチョスは1つ€4前後。でも用意されている数が少なく、休憩時間後半になると大分品切れていました。

ガイドツアーもある

テアトロレアルのガイドツアー

と言う訳で、2回に渡ってお伝えしたスペイン・マドリードにあるオペラ座「テアトロレアル」の鑑賞レポート!マドリードのシンボル的存在のオペラ座なだけあって、少なくともサルスエラ国立劇場よりは見応えのある劇場でした!

テアトロレアルの出口

今回はちょっと鑑賞した演目が悪かったかもしれませんが、このテアトロレアルではもっとちゃんとした(笑)演目も数多く上演されていますし、公演が行われない時間はガイドツアーも開催されているので、マドリードへ起こしの際は一度訪れてみると良いと思います。

テアトロレアルについては、昨日の記事も併せてご覧下さい→<テアトロ・レアル>公演チケット購入と座席表、ホワイエについて詳しく!

スペイン・マドリードに関する情報、観光スポット一覧など「スペイン・マドリードの観光ガイドと“一人旅”体験レポート!」も併せてご覧下さい。

♪こちらも合わせてどうぞ

このページでは、ヨーロッパを中心とした世界のオペラ座(オペラハウス)やコンサートホールでの鑑賞記、およびチケット手配...