ウィーンの「ベートーヴェン博物館」がリニューアル!アクセス・チケットなど

ベートーヴェン博物館は、彼の生まれ故郷であるドイツのボンにもありますが、今回は1792年から住んでいたとされるウィーン郊外のハイリゲンシュタットにある博物館をレポート!アクセスや見所などについて見ていきたいと思います。

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ハイリゲンシュタットの住宅街へ

ベートーヴェンミュージアムへの行き方ですが、場所はウィーン北部の郊外ハイリゲンシュタット。市内中心部から行く場合、トラム37番の終点Hohe Warteが最寄となりますが、リンクから向かう場合はトラムDのGrinzinger Straßeから向かった方が便利です。

ウィーントラムDの終点

今回はトラムDで終点まで行って、ベートーヴェンの散歩道から向かいました!ここはかつて曲作りに思い悩んだベートーヴェンがよく歩いたとされる道で、“Beethovengang”という名前がつけられています。

ベートーヴェンの散歩道

大分前に訪れた時は、秋の紅葉真っ盛りの時期でしたが、今回は緑生い茂る夏の風景。人も少ないですし都会の喧騒を離れてゆったり散歩できる良い所です!詳しくはコチラの記事をご覧下さい→“ベートーヴェンの散歩道”を歩いてみた!紅葉映えるウィーン郊外ハイリゲンシュタット

ハイリゲンシュタットの高級住宅街

ベートーヴェンハウスの看板

また、この辺りは高級住宅街なのかお屋敷みたいな大きい家が沢山!そんな洗練された街の中、“Beethovenhaus”の表示に従って進むと博物館へと辿り着きます。

beethoven-museum-wien/アクセス

三角屋根の白い建物がベートーヴェン博物館。あまりにも周りの建物に溶け込んでいるので、初め分からずに通り過ぎてしまいました…!歴史的建造物を示す旗と紋章が目印です。

チケット売場と見学順路

beethoven-museum-wien/チケット売場

中央の扉から中へ入るとエントランスがあり、“Tickets Shop”と書かれた扉の中に事務所があって、そこでチケットを購入。リュック等の手荷物は、同じ所にあるコインロッカーに預けます。

入場ゲート等が無く、チケットが無くても中まで入れてしまうので気を付けないと…。

beethoven-museum-wien/MAP

このベートーヴェン博物館ですが、構造は至ってシンプル。地上2階の建物の中央にある中庭を中心に、1~6の番号が割り当てられた6つの部屋があって、それぞれにベートーヴェンに纏わる物が展示されています。

beethoven-museum-wien/中庭

中庭は屋根の無い屋外になっていて、木洩れ日の差す明るい空間です。ここから全ての部屋へアクセスする形になります。

beethoven-museum-wien/全景

beethoven-museum-wien/2階の通路

2017年に改装されたという事でペンキが真新しいですが、古い建物なので歩くと床がギシギシ。扉もギーっと音を立てる等、随所で長い歴史を感じさせてくれます。

beethoven-museum-wien/見学導線

尚、見学導線としては一応1番から順に時代を追っていく展開で展示されていますが、特に順路が決まっている訳ではなく、何番からでも自由に見学する事が出来ます。

展示は楽譜、デスマスクなど

beethoven-museum-wien/展示物

各部屋の展示は、ベートーヴェンに纏わる小物や楽譜が中心。音楽博物館らしく、ヘッドフォンでベートーヴェンの作品が聴ける展示も多くあります。

beethoven-museum-wien/直筆の楽譜

私の様な作曲家にとって、やはり一番の目的は直筆の楽譜!音符の形や記号の書き方、筆圧等から作曲家の個性や曲想を読み解くと、曲への理解が一層深まるものです。

このミュージアムで見られる直筆の楽譜は数曲程度。「エロイカ」はありましたが、「エリーゼのために」は見つからなかった…。

beethoven-museum-wien/ライフマスク

beethoven-museum-wien/デスマスク

ベートーヴェンのライフマスク、デスクマスクも見られます。音楽の教科書にある様な肖像もありますが、やはりこちらの方が見応えありますよね。

beethoven-museum-wien/サロンホール

また1~6の内、5番の部屋はちょっと広めのサロン仕様になっています。この部屋だけ二重サッシの防音設備になっているので、ここでサロンコンサートが開かれる事もあるのかもしれません。

仕掛けのある展示も

beethoven-museum-wien/鍵盤の仕掛け

展示の中には、この様に触って学べる物も幾つかあって、こちらは鍵盤にヘッドフォンがセットされていて、指定の和音を弾くと曲(幻想曲Op.77)が流れる仕掛けになっています。

beethoven-museum-wien/幻想曲が流れる

ここではレ・ミ・ソ・ラ・シ♭の5つの音を弾くように指示されていますが、何故この5音なのかは“Ludwig van Beethoven”の文字列にあって、冒頭からドイツ語の音名にあたるアルファベットをピックアップ(d,g,a,b,e)すると、この和音になるからです。

beethoven-museum-wien/ハンマーアクション

仕掛けとしてはありふれたものですが、この鍵盤はアップライトピアノを思わせる様なハンマーアクションでちょっと本格的!

beethoven-museum-wien/骨伝導が分かる仕掛け

beethoven-museum-wien/ベートーヴェンの難聴

他にも、骨伝導による音の仕組みが分かるものや、鍵盤に書かれた年代によって変化していくベートーヴェンの難聴具合が音で分かる装置も。ポーランド・ワルシャワのショパン博物館もそうでしたが、如何にして展示に遊び心を加えるかがキーポイントになっている様ですね。

雰囲気の良い博物館

と言う訳で、2017年にリニューアルされたというウィーンのベートーヴェン博物館を訪れてみましたが、展示内容としてはまずまずと言った印象。ベートーヴェンの情報なんてググれば幾らでも出てくる時代ですが、作曲家が実際に住んだ住居を肌身で感じられるのは良いですね。

beethoven-museum-wien

展示内容よりも“雰囲気”を感じるのに良いスポットかもしれません。訪問の際は、是非晴れた日をおススメします!

Beethoven Museum(Wien)

  • 場所:Probusgasse 6, 1190 Wien
  • 営業時間:10:00~13:00、14:00~18:00
  • 休館日:月曜日、クリスマス、年末年始、5月1日
  • HPはこちら

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